遺言執行者の選任を検討されている方は、費用について悩んでいる方も多いのではないでしょうか?遺言執行者の費用は、相続の難易度や複雑さ、遺産の規模、依頼する専門家によって異なります。
この記事では、遺言執行者を選任・依頼する費用の相場や、費用が決まる主要な要因について詳しく解説します。
遺言執行者の費用相場
遺言執行者の費用は、選任する先の専門家によって多少の違いがあります。主な遺言執行者先には、弁護士や司法書士、税理士、そして銀行があります。
それぞれの費用相場についてみていきましょう。
弁護士の費用相場
相続問題・相続トラブルが発生しそうな場合には、弁護士に依頼することが望ましいと考えられます。弁護士は相続人間の交渉や裁判といった法的手続きにおいて力強いサポートができる点に強みのある専門家です。
多くの弁護士事務所では、旧日本弁護士連合会報酬等基準規定に基づいた料金体系を採用していますが、事務所ごとに若干の違いがあるため、具体的な金額については各事務所に直接問い合わせることをお勧めします。
旧日本弁護士連合会報酬等基準に準じた場合
- 遺産総額が300万円以下:一律30万円
- 遺産総額が300万円を超える:超過分に対して一定の割合で報酬が発生
弁護士の報酬は遺産総額に応じて変動しますが、一般的には0.5〜2%程度に設定されている事務所が多いです。
司法書士の費用相場
相続登記などの手続きを多く抱えている場合には、司法書士への依頼を検討することをお勧めします。
司法書士の報酬は、共通の規定が存在しないため、事務所によって料金に違いがあります。多くの事務所では基本料金が25〜30万円で、さらに遺産総額に応じて0.5〜2%の報酬を設定していることが一般的です。
また、相続登記の数や不動産の評価額によっても報酬が変動することがあるため、具体的な金額については直接事務所に問い合わせることをお勧めします。
税理士の費用相場
相続税申告までを含む手続きを依頼したい場合、税理士にお願いするとスムーズに進められます。
税理士の報酬については、かつては最高限度額が設定されていましたが、現在はその規定が廃止され、各事務所が独自に報酬を設定しています。
一般的な基本料金は20〜30万円で、さらに遺産総額に応じて0.5〜2%の報酬を設定している事務所が多い傾向にあります。
銀行の費用相場
信託銀行は「遺言信託」というサービスを提供しており、遺言書の作成、保管、遺言執行を一括してサポートしています。
各信託銀行ごとに異なるプランを複数用意しており、サービス内容や報酬にも違いがあります。遺言信託は弁護士や司法書士も提供していますが、信託銀行に依頼する場合は報酬が高めになりやすく、最低報酬額が100万円となるケースが多いです。
信託銀行を利用するメリットとしては、金融機関のサービスであるため安心感が得られることや、資産運用に関するアドバイスを受けられる点が挙げられます。
専門家に依頼しない場合の遺言執行者の報酬の決まり方
専門家に遺言執行を依頼しない場合、遺言執行者を選任した際の報酬の決まり方を、以下のケース別に解説します。
遺言書の内容に従う
遺言書に報酬額が明記されている場合、遺言執行者はその金額を受け取ることになります。
士業の事務所は遺言書に記載された内容に従うため、事務所の定めた報酬額が追加で請求されることは基本的にありません。
遺言執行者と相続人が相談する
遺言執行者が遺言で指定されていても、その報酬が記載されていないことがあります。
そのような場合、相続人全員と遺言執行者との協議によって報酬金額を決定します。一般的に、報酬として標準とされる金額は財産の1〜2%ですが、全員の合意が得られないことで金額が決まらず、相続が進まないこともあります。
さらに、遺言に報酬額が記載されている場合でもその内容が承認されないケースも含まれます。
家庭裁判所で決める
相続人と遺言執行者の間で報酬額について合意できない場合、家庭裁判所に報酬の決定を申し立てることが可能です。
申立を行うのは遺言執行者です。
家庭裁判所は、相続の難易度や複雑さ、遺産の規模に基づいて報酬額を決定します。具体的には、不動産が複数あり登記手続きに時間がかかる場合や、相続人が多数いて財産の分配が困難な場合などが報酬額に影響します。
財産がある程度の規模になると、報酬は評価額の3%程度になることが多いですが、民法には遺産に対する具体的な基準がないため、申し立てを行わない限り遺言執行者の報酬は明確には決まりません。
遺言執行者の費用を支払うタイミング・方法
執行報酬は、相続人一人が負担するのではなく、相続人全員で分担し、遺言内容の執行が完了した時点で支払われます。実務上は、遺産から執行報酬を差し引き、残りを相続人で分ける方法が一般的です。
ただし、遺言書に支払方法が明記されていない場合、後々トラブルになることもあるため、遺言執行前に支払方法を確認しておくことが重要です。相続人の中に遺言執行者がいる場合は、他の相続人と公平になるよう、遺産の配分で調整するのが一般的です。
また、遺言執行者がやむを得ない理由で辞任した場合でも、執行の達成度合いに応じて報酬が発生することがあります。
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