「親から通帳をもらったけど、銀行口座の名義変更は必要なんだろうか?」
そのような悩みを抱えた方向けに、相続問題のプロである札幌大通遺言相続センターがこの記事を書かせていただきました。
結論からお話しすると、生前に贈与として受け取る場合は名義変更が必要で、死後財産として相続する場合は別の手続きが必要となります。
名義変更についても、一般的な名義を変えるだけのものとは異なるため、本文で詳しく解説させていただきます。
まずはやり方から見ていきましょう。
親から子への銀行口座の名義変更やり方
親から子への銀行口座の名義変更のやり方は「生前行うか」「死後行うか」で変わります。まず、あなたにとってどちらが良いのか、判断のポイントから見ていきましょう。
判断のポイント
生前に変更するか、死後に変更するかの判断のポイントは「預貯金110万円を越えるか否か」です。
- 110万円以下:生前に変更する
- 111万円以上:死後に変更する
※明確なルールで決まっているわけでなく、税金が高くならない方法としての紹介です
この理由は、生前に変更する場合は「贈与税」が、死後に変更する場合は「相続税」がそれぞれかかり、贈与税のボーダーが110万円であるためです。
では、それぞれのやり方を見ていきましょう。
生前に名義変更する方法
生前に名義変更する方法はシンプルで、以下の通りです。
- 親の口座からお金を下ろす
- 自分の口座に入金する
- 親の口座を解約する
一般的に親から子への「名義変更」とは、名義を変更するのではなく、子の口座にお金を移して解約することを「名義変更」と呼ぶケースが多いです。少しややこしいですが、この方がスムーズにお金を移せるため覚えておきましょう。
生前に渡されるお金は「贈与税」がかかりますが、110万円以下であれば基礎控除内であるため税金がかかりません。
ただし、親が認知症や危篤状態である場合は引き出しができない可能性が高いのでご注意ください。
一般的に銀行口座の解約で必要となることは以下の通り
- 銀行の窓口で名義人本人が手続きする
- 届出印、通帳、キャッシュカードを持っていく
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)を持っていく
- 解約口座の残金を送金するための銀行口座の情報(お子さんの口座情報)
次に、死後に相続として貰い受ける方法について解説します。
死後に相続する方法
死後に相続する場合、以下の流れで行います。
- 銀行に連絡し、残高証明書を取得する
- 相続手続きの用紙を記載する
- (遺言書が無い場合)遺産分割協議を行い、相続の割合を決定する
- 必要書類を集め、銀行に提出する
- 預金を払い戻してもらう
このように手間は多いものの、相続税は「3000万円+(600万円×法定相続人)」という基礎控除があるため、贈与税よりも大幅に税負担を軽減できます。
補足説明:遺産分割協議とは?
故人の遺産を、相続人全員で分割方法について話し合い決定する方法です。法律で決められた分割よりも優先されるものであり、この結果を記載したものが遺産分割協議書になります。
詳しくは以下の記事で解説しておりますので、ご参照ください。
【争続を防ぐ】遺産分割協議書とは?協議の流れや書き方・注意点を解説
必要書類については、「遺言書」の有無により異なるため、それぞれ見ていきましょう。
【遺言書がある場合の必要書類】
【遺言書がない場合の必要書類】
ここまで見ると、名義変更を後回しにしてお金だけ引き出そうと思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、名義変更をしなかった場合口座が凍結されてしまうため、次の項目で詳しく解説します。
名義変更しなかった場合、口座が凍結される
名義変更をしなかった場合、親の口座は死亡が確認された時点で凍結されます。凍結されると、預金の引き出し、公共料金、クレジットカードの引き落としなどが使用できなくなるためご注意ください。
口座凍結解除の方法は以下の通りです。
- 銀行窓口に口座凍結解除を依頼する
- 口座凍結解除に必要な書類を集め提出する
必要な書類については、遺言状の有無など状況により変わります。詳しくは後日公開の記事で解説させていただきますので、そちらをご覧ください。
もしお急ぎでしたら、札幌大通遺言相続センターの無料相談をご利用ください。
急ぎの場合は専門家へ相談する
札幌大通遺言相続センターでは、無料相談を実施しています。ご依頼いただく際のお見積だけでなく、あなたの状況に合わせて必要な書類や、多くの方が躓くポイントなどを解説させていただきます。
口座の名義変更についてもご相談いただければ、具体的な方法をお話しさせていただきますのでまずはお気軽にお問い合わせください。
ラインでの受付も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
今回は親から子への銀行口座の名義変更について解説させていただきました。最後にポイントを振り返りましょう。
名義変更の判断のポイント
- 名義変更は生前行うか、死後行うかで方法が変わる
- 判断のポイントは預貯金が110万円以下なら生前、111万円以上なら死後に変更する
- 名義変更を行わないと口座が凍結したままになる
- 親から子への銀行口座の「名義変更」は、お金を移し替えて親の口座を解約する意味のこともある
生前に名義変更する方法
- 親の口座からお金を下ろす
- 自分の口座に入金する
- 親の口座を解約する
死後に相続する方法
- 銀行に連絡し、残高証明書を取得する
- 相続手続きの用紙を記載する
- (遺言書が無い場合)遺産分割協議を行い、相続の割合を決定する
- 必要書類を集め、銀行に提出する
- 預金を払い戻してもらう
特に死後、相続する場合は通常の名義変更と異なり手続きが難しくなります。「必要な書類がわからない」「書類の書き方が正しいのかわからない」「手続きをお任せしたい」などのお悩みがありましたら、札幌大通遺言相続センターの無料相談をご利用ください。
ラインでの受付も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。