「住まない実家を相続するとどうなるの?」
このようなご質問をいただくことが多いため、疑問を解決すべく記事を書かせていただきました。
この記事では、相続のプロである「札幌大通遺言相続センター」が、住まない実家を相続した際の問題点3つと、住まない場合の対処法5つを解説させていただきます。
結論からお伝えすると、住まない実家は(よほど立地や状態が良くない限り)相続しない方がベターと言えます。理由は本文で解説しているため、ご覧ください。
それでは、早速見ていきましょう。
住まない実家は相続してはいけないのか
住まない実家を相続すると、以下のような問題があります。
- 相続税の税額が増える
- 固定資産税が増える(土地のみでも発生する)
- トラブルに発展する可能性がある
それぞれ見ていきましょう。
問題点1:相続税の税額が増える
相続税の税額が増える点は問題点の一つです。
本来、住む家の相続であれば「小規模宅地等の特例」が受けられ、相続税は80%減の優遇措置が受けられます。しかし、住まない状態で相続してしまうとこの特例が受けられず、相続税の税負担が100%になります。
例えば、相続税が「100万円」だとしたら、住んだ場合は「20万円」、住まない場合は「100万円」の税金がかかるということ。
問題点2:固定資産税が増える(土地のみでも発生する)
相続税だけでなく、固定資産税も毎月かかってきます。使用していないにも関わらず、年間「数万〜数十万円」ほどの税金が取られていきます。
また、家を取り壊し更地のまま土地を持っていると、土地の固定資産税が(建物有りに比べ)実質6倍に跳ね上がります。
問題点3:トラブルに発展する可能性がある
空き家として放置していると、トラブルに発展する可能性もあります。例えば以下の通り。
- 雑草が伸びて隣の家に侵入してしまう
- 子どもが入り込んで怪我をしてしまう
- 不法投棄などの犯罪被害にあう
など
また、「特定空き家」に指定されてしまうと、本来優遇される筈の固定資産税の措置が無くなり、土地の固定資産税が6倍になります。
住まない実家を相続してメリットのあるケースは?
住まない実家を相続した際のメリットは以下の通りです。
- 売却することで現金化できる
- 賃貸や、解体して駐車場などを作り継続的な収入を得られる
- 将来的に住める、中継地点として利用できる
など
しかし、築年数が古い、立地が悪い場合は売却や賃貸としての活用が難しく、人が住まないと家は老朽化が進むため将来的に住むのが難しくなるケースも多くあります。
また、住まない実家を相続した場合でも、名義変更は必要です。名義変更をしないとデメリットがあります。
名義変更をしなかった場合のデメリット4つ
名義変更しなかった場合のデメリットは以下の通りです。
- 時間の経過とともに相続人が増えてくる
- 相続の協議が複雑になる
- 親名義のままだと家の売却ができない
- 2024年4月から10万円以下の過料になる
など
詳しくは以下の記事で解説しておりますので、あわせてご覧ください。
親から相続した家の名義変更をしないとどうなる? 手続きは専門家に相談したほうが安心?
実家に住まない場合の対処法5つ
実家に住まない場合の対処法は以下の通りです。
- 賃貸として活用する
- 空き家バンクに登録し、売却する
- 自治体、市町村へ寄付する
- 法人や個人に譲渡する
- 相続放棄する
一つひとつ見ていきましょう。
賃貸として活用する
立地や家の状態が悪くなければ、賃貸という選択肢もあります。借り手が決まれば、家賃収入を得る、人が住むため老朽化を防げる、将来自分で使うことができるといったメリットがあります。
ただし、管理費用は大家側の負担だったり、借主が退去したいと言わないと自動的に更新が続く「普通借家契約」が一般的だったりと、デメリットもあります。
ご自身のライフプランに合わせての設計が大切です。
空き家バンクに登録し、売却する
売却してお金を得ることも候補に上がるでしょう。しかし、通常の方法では不動産会社や仲介業者とのやりとりが多かったり、そもそも売ること自体が難しい可能性があります。
そこで、「空き家バンク」の利用を検討しましょう。空き家バンクは各自治体やNPOが運営する空き家・空き地の物件情報を提供するサービスです。
通常の方法よりも目に留まりやすく、売れる確率が上がるので売却を考えている方には特にオススメです。
自治体、市町村へ寄付する
自治体や市町村へ寄付することも負担が少なく済む手段の一つです。売却と異なり金銭は発生しませんが、「譲渡所得税」などの税金が課されないため、結果として出ていくお金が少なく済みます。
自治体ごとに設けられた条件があるため、詳しくはお住まいの市町村役場や自治体へお問い合わせください。
法人や個人に譲渡する
法人や個人間での譲渡も可能です。個人への譲渡は「贈与税」「登録免許税」「不動産所得税」などがかかり、法人であれば「みなし譲渡所得税」が課税されますが、いらない家、土地を持ち続けるよりもお金はかからずに済みます。
相続放棄する
相続放棄も有効な手段の一つです。しかし、相続放棄をしてしまうとプラスの財産も放棄することになるため、トータルで見て損が無い方を選びましょう。
財産についてや相続のことで不明な点がございましたら、「札幌大通遺言相続センター」へお問い合わせください。
住まない家を処分する時は、まず専門家へ相談
相続放棄の方法や、売却・譲渡など中身が見えにくい家の問題。そんな時は、専門家へご相談ください。
約60分の無料相談では、事務所面談以外にもビデオ通話やメールでもご相談いただけるため、ご自身の環境に合った方法をお選びください。
無料相談日のご相談はLINEでも可能です。お気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は住まない実家の相続について解説させていただきました。最後にポイントを振り返りましょう。
- 相続税の税額が増える
- 固定資産税が増える(土地のみでも発生する)
- トラブルに発展する可能性がある
- 賃貸として活用する
- 空き家バンクに登録し、売却する
- 自治体、市町村へ寄付する
- 法人や個人に譲渡する
- 相続放棄する
住まない実家の相続や、相続放棄でご不明な点がありましたら、札幌大通遺言相続センターにご相談ください。
札幌大通遺言相続センター
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