相続税 非課税の枠を縮小へ
2010年12月11日 4時55分 NHKニュース
政府税制調査会は、来年度の税制改正で、相続税を課さない遺産の枠を現在の5000万円から3000万円に縮小して増税とするとともに、生前贈与については非課税とする対象を拡大することで、若い世代への資産の移転を促す方針を固めました。
相続税は、土地や預貯金などの遺産のうちの5000万円に加え、相続人1人当たり1000万円が非課税となっていて、バブル期以降、地価が大幅に下落したことなどから、相続税を納める人は全体の4%程度まで減っています。
このため、政府税制調査会は、来年度の税制改正で、非課税とする遺産を、3000万円に加え、相続人1人当たり600万円に縮小して、大幅に増税する方針を固めました。
また、相続税の最高税率も、現在の50%から55%に引き上げるなど、高額の遺産を受け取る人ほど税負担が重くなるように税率の構造も見直します。
一方、贈与税については、相続税と精算することを条件に、子どもに生前贈与した場合、2500万円までを非課税にしている今の制度について、孫まで対象を拡大することなどで消費意欲が高い若い世代への資産の移転を促す方針です。
読売新聞 12月12日(日)2時32分配信
政府税制調査会は11日、2011年度税制改正で、相続税の最高税率を現行の50%から55%に引き上げる方針を固めた。
相続する財産額から差し引いて税金を安くする基礎控除は、定額部分を5000万円から3000万円に、相続人数に応じた加算額も1人あたり1000万円から600万円にそれぞれ縮減する。税率の区分は現在の6段階から8段階に増やす。
15日にも閣議決定する税制改正大綱に盛り込む方針だ。
政府内には、相続税の増税分を11年度に3歳未満の子ども手当を上積みする財源の一部にあてる案もある。
相続税の最高税率を引き上げ、基礎控除を縮減するのは、資産を多く持つ富裕層に負担増を求め、税収増を図るためだ。約4%と極端に富裕層に偏っている課税対象件数を約6%に増やし、是正する狙いもある。
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これまで、被相続人に対して、相続人が配偶者1名、子2名という一般的な家庭では、基本的に遺産総額8000万円(基礎控除額5000万円+相続人加算1000万円×3)までは相続税を心配する必要はありませんでした。
しかし、今回の改正が実現されると、この8000万円が4800万円となってしまい、自宅不動産などのほか、預貯金、株式等がある場合には、容易に基礎控除額を超える可能性も出てきます。
当然、基礎控除以外の特例措置などもありますが、これまで以上に相続税に注意し、自身で判断せず専門家に相談することが重要となります。
ご心配な方は当センターまでご連絡ください。税理士とともに、相続税・相続手続について対応させて頂きます。